俺様副社長のターゲット
ほろ酔い…………ではなく、かなり酔っていたみたいで、カラオケが終わる頃には眠気が襲っていた。



「朱里、おい、大丈夫か?」


「ん?大丈夫。帰る?」


「平気かよ?」


「大丈夫だよ。」



眠気に襲われつつ、カラオケルームを後にする。真央もかなり酔いが回っているようだ。二人で話が盛り上がる。



「俺、伊藤さんを送るから。」


「賢人、頼む。ほら、朱里、行くぞ。」


「大丈夫。尚輝先輩も終電………。」


「車で送ってやる。」


「えっ、大丈夫。私は電車で。」



尚輝が私の手を繋いで大通りに出る。私は戸惑いながらも尚輝に手を引かれてついていく。


チラリと真央を見れば、賢人と反対方向に歩いて行っている。



「ほら、前を見て歩け。人にぶつかる。」


「あっ、うん。」



結局、尚輝がタクシーを止めて私を乗せた。隣には勿論尚輝も座る。
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