俺様副社長のターゲット
「朱里、平気か?」


「うん。尚輝先輩も凄く飲んでたでしょ?」


「俺は平気だ。」



タクシーの窓から見える景色をじっと見ていた。徐々に訪れる眠気に私は目を閉じてしまった。



「着いたら起こしてやるから寝てろ。」



尚輝の頭を撫でる感触に深い眠りに落ちていった。










「朱里、起きろ。」


「ん……………。」


「朱里、着いたぞ。」


「ん…………。」


「少し待っててください。」



尚輝がタクシーの運転手に声を掛けている。私は尚輝に支えられながら家に歩いていく。



「おい、鍵は?」


「ん………、待って。」


「貸せ。」



尚輝が私の鞄を奪い、鍵を取り出していると、中から玄関が開いた。


「朱里?」


「ただいま。」

「夜分に申し訳ございません。朱里さんが飲みすぎたみたいで送ってきました。」



尚輝がお母さんに挨拶をしている。私は支えられていた体を尚輝から離して玄関に入っていく。
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