俺様副社長のターゲット
彼女達の毎日の『別れろ!』コール。


私はそこまでして尚輝と付き合う意味があるのか――――


そして耐えきれなくなった私は尚輝に別れの言葉を告げた。



「尚輝先輩、別れて下さい。」


「はっ?」


「別れて下さい。」



尚輝先輩は驚いた表情をしていた。暫くの沈黙の後、尚輝は聞こえるか聞こえないかの声で告げた。



「………わかった。」



私に背を向けて歩く尚輝先輩の肩が震えていた。今思えば、泣いていたのかもしれない。


だけど、その時の私はそんな余裕なんてなかった。ただ――――



『解放される………。』



女子からの毎日言われる言葉から解放される事しか頭になかった。


尚輝の気持ちなんて考える余裕なんてなかった。
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