俺様副社長のターゲット
目の前にはお洒落なレストランが建っている。



「ふふっ、尚輝先輩らしい。」


「俺らしい?」


「女性が喜ぶようなレストランって事よ。」



私はレストランの入り口に向かって歩きだした。後ろから尚輝が付いてくる気配を感じた。


私の横に並んだ尚輝が呟いた。



「初めて来た。朱里が喜びそうなレストランだと思ったから。」


「嘘。」


「嘘じゃない。まあ、入るぞ。」



尚輝が入り口の扉を開けて私を先に入れてくれた。


ウエイターに窓際の席に案内された。私は尚輝と向かい合って腰掛けた。



「朱里、何にする?」


「う~ん。」



メニューを見れば結構値段も高い。私はチラリと尚輝を見た。



「高くない?」


「奢る。好きな物を食べろ。」


「いやいや、悪いよ。」


「俺が誘ったんだし、好きな物を食べろ。」



それだけ言うとメニューに視線を戻す尚輝。私はもう一度メニューを見た。
< 92 / 229 >

この作品をシェア

pagetop