夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
私はヴァロンの正面に立ち、
深呼吸して構えた。
その瞬間に、分かる。
もう私と彼の差は歴然だと。
「……いくぜッ!」
ヴァロンにだって分かっている筈なのに、
彼は容赦なく仕掛けてくる。
必死に受け止めて、流して…。
交わすのが精一杯の私に、
ヴァロンは全力で向かってきてくれた。
射るような鋭い眼差しで、
私の胸を熱くして…。
鳥肌が立つ程の興奮をくれる。
ヴァロンのこの目がもう一度見たかった。
覚えていよう。
いつか完全に私の目が見えなくなっても、
君の姿が思い出せる様に…。
「……考え事すんな。」
「!……ッ?!」
ヴァロンの声が聞こえたと思ったら、
彼の仕掛けた裏回し蹴りが…。
私に当たる寸前で、ピタッと…止まった。