夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
「……。
完敗、ですね。私の負けです、ヴァロン。」
「はぁ?
お前今手ぇ抜いただろ!納得いかねぇ!」
素直に負けを認めた私を、
ヴァロンは本気で不満そうに怒る。
彼が可愛くて、
私は思わずフフッと笑った。
「……やっと、本当の笑顔になったな?」
「!……え?」
ハッとすると、
とても優しい表情のヴァロンが私を見つめていた。
「結婚、緊張してんのか?
ずっと表情固かったもんな、お前。」
「……。」
人が普通に振舞おうとしてるのに…。
何で、君は気付いてしまうんだろう。
……。
駄目だ。
これ以上、ヴァロンに見つめられたら…。
「……ヴァロン。
任務、そろそろ行かないと遅れますよ。」
平然を装って、
ヴァロンの上着を拾おうと私は目を逸らした。