夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
っ……私の、馬鹿ッ…。
あんな所に…置きっ放しにするなんて……。
”見たんだ?”…。
ヴァロンのさっきの問い掛けに、
私は答える事が出来ない。
正直に見た、とも。
見てない、なんて嘘も…言えない。
ただヴァロンを見つめていると…。
彼は開いていた雑誌をパンッ!と勢い良く閉じた。
その音に思わずビクッとした私。
ヴァロンはゆっくり私の方に身体を向けて、
冷たい表情のまま…瞳を合わせてくる。
瞳が合うと、彼がフッと…笑った。
「…ねぇ。
ここに書いてある事が本当だったら…。
アカリどうする?」
左手に持った雑誌を、
自分の顔の横に並べてヴァロンは首を傾げた。
笑っているのに、笑ってない。
私に問い掛けているのに、
その答えに全くなんの期待もしていない様な表情のヴァロン。
彼の孤独が、痛いくらい…伝わってきた。