夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
……
………。
三ヶ月前の3月3日。
アカリの18歳の誕生日に俺達は結婚した。
でも…。
俺とアカリは、
未だに夫婦じゃない。
契りを交わす機会がなかった訳じゃない。
独身の時よりは、
仕事をハードにしているつもりはないし。
たまに休みもあるし、
夜は家に帰って同じベッドで眠る事もある。
でも、
アカリを見つめると…。
あの怯えた瞳で見つめられると、
俺は何も出来なかった。
無理もない。
俺とアカリは知り合って一年以上経つが、
恋人としての期間もなくいきなり結婚してしまった。
彼女にとって、
俺は初めての恋人であり…。
全てが初めての相手なんだ。
アカリの笑顔を曇らせてしまうくらいなら、
俺は…いくらでも待とうと決めていた。
……。
でも、それは大きな間違い。
俺は自分の臆病さを、
アカリの為だとこじ付けていた。