夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
……
………。
「行ってらっしゃい、ヴァロン。」
朝食を済ませて、
玄関まで俺を見送ってくれるアカリ。
何も聞かずに、いてくれるんだ。
俺は心の中で、
ごめんねとありがとうを呟いた。
そして、彼女を真っ直ぐ見つめた。
「……6月15日。
一緒に墓参りに行ってほしい。
……。大切な人の、命日なんだ。」
嘘はつきたくない。
”大切な人”…。
アカリを傷付ける言葉かも知れないけど…。
もう隠したくない。
全てを彼女に話そうと決めた。
「……うん。私も、会いたいな。」
微笑んで頷いてくれたアカリ。
可愛くて、触れたい。
そう思ったら自然に彼女の頰に手を伸ばしかけていて、
俺はハッとしてその手を止めた。