夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
「……わりぃ。壊した、みたいだわ。」
ヴァロンがそう言ってシュウさんに差し出したのは、
いつも連絡を取り合っている通信機。
そっか、それで連絡が取れなかったんだ。
二人のやり取りを見て、私は一安心。
「…多分、あん時。
この前任務帰りに鞄を宿の部屋で落としただろ?
あれから使ってなかったから…。
気付くの遅くて…ごめん。」
通信機を左手で差し出して、
ヴァロンは右手で自分の頭をくしゃくしゃしながら言った。
すると、
ヴァロンを見つめていたシュウさんが通信機に目を落として表情を歪ませる。
「……なんで。
なんで、いつも君が先に謝るんですか…?」
シュウさんは通信機を差し出すヴァロンの左手を包む様に両手で握った。
「……悪いのは。
本当に悪いのは、いつも私なのにっ……。」
シュウさんの視線の先は、
ヴァロンの左手首の…包帯。