夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】

(2)

〈回想シーン〉
【ヴァロン7歳/闇市場】

ザワザワした暗い地下にある会場。
正規でない方法や価格における取り引きが行われる市場。


俺は、
商品として競売にかけられる。

金に困った母親に、売られた俺。
突然変異で生まれた珍しい容姿で注目を浴びた。
不気味がる人もいれば、
見方を変えれば美しいと思う変わった奴等もいる。
珍しい人間には珍しい力があると信じて望む奴等や、
その臓器や血が不老不死に役立つと馬鹿な考えを持つ奴等もいる。


狭い檻に入れられた競売の順番待ちの最中、
俺は別に絶望もしなければ…希望もなかった。

助けてと叫ぶ事もしない。
母親と引き離される時も、抵抗もしなかった。
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