夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
「おい、帰るぞ。起きろ、酔っ払い…。」
「ん〜…むりぃ〜……。
だっこ!…ヴァロン〜だっこしてよ〜…。」
肩を揺すった俺に、
リディアはそう言いながら抱き付いてきた。
完全に酔い潰れてる。
めっちゃくちゃ酒臭いし…。
何が”夢を届ける妖精”だよ!
正直イラッとしながらも、
連れて帰らない訳にも行かず。
俺はリディアをカウンター席からひょいっとお姫様抱っこで抱き上げた。
そのまま酒場を抜ける様に歩いて行くと、
辺りの客から「お〜!」っと拍手と歓声が上がる。
この時、
俺の身長はもうリディアと変わらなかった。
15歳になって金バッジにも昇格。
すっかり成長した俺の姿を見て、
実はリディアと出来てるんじゃないかって噂する奴等もいた。
もちろん、そんな事実はない。
確かに一緒に暮らしてるけど、
今まで一度だってそんな関係になった事はなかった。
この日までは…。