夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
「おい!チビ、出ろッ…!!」
黒いスーツを着た男が、
俺の首に着いた鎖を引いて強引に檻から出す。
俯いたままの俺。
男はそんな俺を見て舌打ちをすると、
大勢の客が待つステージの中心へ俺を置いた。
辺りは薄暗いのに、
ステージにいる俺には眩しいくらいの照明が当てられる。
その瞬間、
客席からすごい歓声が上がって…。
俺の競売が、始まった。
元値から、
どんどん上がる金額。
必死になって、
俺を競り落とそうとする奴等。
…良かったね、母さん。
あんたの息子はきっと誰かの役に立つよ。
そう思ったら、
俺は何か…笑えてきた。
「おい、お客様に顔を見せろッ…!」
男がグイッと、
俯く俺の顔を強引に…上げる。