夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
……ズキッと痛む、胸。
でも、もう…。
後には…引けなかった……。
「……。
シュウ、俺の貯金からリディアに10億渡してくれ。」
俺はリディアに伸ばしていた手を降ろして、
ゆっくりシュウから離れた。
「…俺の購入に5億。
今まで育ててもらった養育費に5億。
合計10億、文句ないだろリディア。
これで、あんたと俺は…もう何の関係もなしだ。」
「ヴァロン!何言ってるんですか…!」
俺の言葉にシュウは驚いて、
首を横に振りながら正面に立った。
その表情は、今にも泣き出しそうで…。
俺よりも、悲しそうだった。
……でも。
俺はもう、耐えられなかった。
期待して、叶わなかった望みを…。
もう一度信じる勇気が、俺にはなかった。