夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
【リディアの家】

「……身を隠す事もしない。
小細工もしない。……。
アンタらしいわね、ヴァロン。」

帰宅したリディアが俺を見つめて微笑む。

食事の時の俺の場所。
小さなテーブルを挟んで、
リディアと二人で食事したリビング。
いつもの椅子に俺は座って待っていた。


「…あんたこそ。
玄関入って来る前から俺の存在に気付いてただろ?……。
避けなかったって事は、相当自信あるんだ?」

俺は椅子から立ち上がると、
胸ポケットから鍵を取り出して見つめた。

リディアが俺にくれた合鍵。
渡された時、
”いつでも帰って来てもいいよ”って言われた気がした。

初めて出来た、俺の居場所だった。
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