夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
「…アンタ、歩ける?行くわよ。」
女は俺の首輪を外しステージから降ろすと、
そのまま手を引いて足早に歩き出した。
……。
「ありゃ、雨ね。」
闇市場がある地下から地上に上がると、
薄暗い空からしとしと雨が降り注いでいた。
「傘ないし。
仕方ない、走るわよ…!」
「っ……?」
女は俺の手を引いたまま、容赦なく走る。
さっき5億も支払っといて、
この女は傘を買う金もないのか…?とか。
何で俺に5億の値をつけたんだ?…とか。
聞きたい事はあったけど。
俺はただ黙って雨の中を一緒に走った。
久しぶりに走ったら、
心臓がドキドキと大きな音を立て始めて…。
生きてる、って…感じた。