夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
……。
病死…?
俺の頭に過る、別れる前のリディア。
下剋上を仕掛けたあの日。
彼女にはいつもの勢いがなかった…。
何処か体調が悪いのかと、思った。
……。
病気、だった?
あの時すでに…リディアは……。
”……真っ正面から受け止める。
それが私がアンタにしてやれる最後の事だと思ってるわ。”
……さい、ご?
あの言葉は、”最期”の…意味。
”これを持っていきなさい、ヴァロン。”
”私の、負けよ”…。
あの時差し出した白金バッジは…。
リディアの最期の…。
俺に対する想いだった…?
……。
何故、気付かなかったんだろう。
不器用なリディアが、
俺に見せていた本当の姿に…。
時折見せた壊れそうな女の表情。
身体を重ねた夜、
俺を見つめて求めてくれた眼差し。
リディアの愛を、見なかったのは…俺。
愛してもらえないと決め付けていた、弱い俺。