夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
「……これ、飲みなさい。
何か食べさせてあげたいけど…。
その様子じゃ、何日か食べてないみたいだし。
いきなり重い物はキツいでしょ?」
女は痩せた身体の俺を見て鞄から色々取り出すと、
生温かいスープの様な物をカップに移して渡した。
「それ飲んだら、
とりあえず何も考えずに眠る事!
人間疲れてると嫌な事ばかり考えちゃうからね!」
明るい声。
外も、俺の心も暗いのに…。
女の周りだけ、輝いている様に…見えた。
……。
俺は、素直にスープを飲んで。
気付いたら、久々に熟睡していた。
……。
そして、翌朝…。
「ホラ!見て!」
女に連れられて、
船の甲板に上がると…。
「雨上がりの朝!綺麗でしょ?」
空には虹が架かってて、
眩しい位に…空に輝いていた。
そして、その下で微笑む女は…。
俺には虹よりも、
鮮明に心に焼き付いたんだ。