夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
「……。痛かったでしょ?
本当に、ごめんなさい……。」
今もアカリの首筋に残る痕。
そっと手で触れて俺は頭を下げた。
すると…。
そんな俺の頭を上げさせる様に、
アカリが両肩を掴んで上を向かせる。
「……。
私はっ…ヴァロンが好きだよ…。」
震えた声が聞こえたと思ったら、
アカリは…泣いていた。
「ヴァロンがっ…大好きだよッ……。」
俺の話を聞いても、変わらない。
そう、
伝えてくれているかの様に言ってくれた。
「……ありがとう。
俺も、アカリの事大好きだよ。」
まるで俺の代わりに泣いてくれているアカリを、
優しく抱き締めてそう言ったら…。
何だか、リディアに逢える気がした。
もう一度、
空を見上げる勇気をアカリがくれた。
6月15日。
俺は初めて、リディアの墓参りに行く。
今まで逸らし続けて来た現実を、
見つめる為に…。