夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
「こっちよ。付いて来て。
アンタの事をマスターに紹介するわ!」
また女は俺の手を引いて歩き出す。
マスター?
俺を紹介する?
サッパリなんの事だか分からなくて、
頭の中に?マークがいっぱいだ。
俺を連れて歩く女を、
すれ違う人々が驚いた様な表情で見つめて…。
ヒソヒソと耳打ちしながら話している人物もいた。
その時に俺はようやく、
”この女は何者なんだ?”と思った。
まあ、
俺なんかに5億なんて馬鹿な値をつけた位の女。
相当な変わり者である事には違いない。
この地下にある町みたいな物を造った、
何処かのお金持ちの女…とか?
女の背中を見つめながら、
こんな風に誰かの事を考える自分に少し驚いた。
他人に興味を持つなんて、
暫く忘れていた感情だったから…。