夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
リディアは俺に自分の事をあまり話さなかったが、身寄りがなくマスターが保護者の様な存在だった事は昔聞いた。
……よく考えたら、リディア。
俺はお前の事を大して何も知らなかったんだな。
そんな事を思いながら、
俺はアカリとシュウと一緒にリディアの墓を探した。
幾つかに区切られた墓地の中から、
更に一つの墓を探すのはかなり難題だと思う。
……でも、
俺には何故か見付けられる自信があった。
きっと逢えると、感じていたんだ。
……。
サアァ…ッと心地良い風が吹いて、
頰を優しく撫でられた瞬間…。
「!!ッ……。」
フワッと花の香りが俺に届いた。
それは、懐かしい香り。
初恋の、香り。
「……。リディア?」
間違う筈がない。
リディアの付けていた、香水の香り。