夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
辿り着いた場所。
そこに居たのは、リディアではなかった。
墓の前で屈んで、
手を合わせてお参りをする一人の少女。
長い黒髪を左右に分けて三つ編みをしたその子は、とても儚げで小さい。
長身でスラッとしたリディアとは、
似ても似つかない対照的な女の子だった。
その少女は不思議な子だった。
ギルバートの娘であるアカリに手紙を渡したかった、と言った。
しかも、リディアから託された手紙を…。
少女は自分の母親がリディアを看取った看護師だと言ったが、
何故だか俺には腑に落ちない。
リディアと同じ香りを纏ったこの少女が、
俺にはどうしても他人には思えなかった。