夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
呆然と佇む俺の名を、
アカリが手紙を差し出して呼んだ。
すると…。
「!……ヴァロン、さん?
貴方が…やっぱり、ヴァロンさんなんですねっ?」
ずっと黙っていた少女が、
俺の名前に反応して…。
俺を見上げて、
瞳に涙を浮かべながら微笑んだ。
「……思い描いていた通り。
聞いていた通り、素敵な方…ですね。」
その言葉に、
勇気を出して少女を見ると…。
少女は目を擦って俺から目を逸らした。
「……すでに、お二人は出逢われていたんですね!……。良かったぁ…。」
少女はそう言って、アカリに微笑んだ。
……。
何で…だよっ……。
何でっ…親子揃って……何も言わねぇんだよ……ッ。
俺の、幸せばっかり…祈ってんだよッ……。
俯きそうな俺に、
少女は顔を上げさせるように…また微笑んだ。