夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
「…過去に、捉われないで下さい。
……。止まない雨はない。
きっと貴方の真上に、虹は架かっていますよ?」
少女はペコッと俺に頭を深く下げて…。
少しして顔を上げると…。
俺の横を通って、足早に歩き出す。
擦れ違い際に香る匂い。
足早に歩く足音。
俺は彼女を、もう見失ってはいけないっ…!
「……。……待て…。
…っ……おい、っ…待て……!」
その場を去ろうとした少女に、
俺は夢中で駆け寄って、
パシッと手を掴んで…止めた。
小さな手、細い指。
力を込めたら折れてしまいそうな、少女。
……。
護ってやりたい。
愛おしさが、溢れて…。
何故、今まで傍に居てやれなかったのだと…。
気付いてやれなかったのだと…後悔した。