夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
「……っ…。名前…。」
「……え?」
「…名前、教えて……。」
少女は少し躊躇った様な表情を見せた。
困らせるつもりは、ない。
この子が今のままを望むなら、
きっと俺は何もしないのが正解だ。
……でも、もし。
この子が俺に何か望む事があるなら…。
俺に出来る事があるなら……。
全力で、応えてやりたい。
真っ直ぐ瞳を合わせていると、
少女は嬉しそうに微笑ってくれた。
「……ユイ、です。
”結ぶ”って書いて…ユイ、と言います。」
……ユイ。
全てを繋げてくれたこの子に、
その名前はピッタリだった。
「……。
そっか、良い名前だな…。」
リディア。
良い娘を…産んだな……。
ありがとう。
俺はユイの手を放すと、
胸ポケットを漁って自分の名刺を取り出した。