夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
「……何か困った事があったら、来い。
これがあれば、優先的に仕事を受けてやれる。」
…こんな事しか出来なくて、ごめん。
俺は心の中でそう呟いて、
ユイの手に名刺を握らせる。
「……。
いつでも来い。待ってるから。」
お前が俺を必要としてくれるなら、
どんな時でも絶対に駆け付けてやる。
俺はそっとユイの頭に触れて、
ポンポンッと撫でた。
リディアの髪質に、よく似ていた。
「…ユイ。ありがとな。」
ユイ。
生まれてきてくれて…ありがとう。
俺は、微笑った。
リディアには一度も見せた事のなかった…。
格好ばっかり付けて、
見せる事の出来なかった、優しい笑顔。
リディアとは、
一緒に叶える事が出来なかった夢。
とても可愛らしい笑顔で微笑うユイと、
俺は一緒に微笑う事が出来た。