夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】

「……。
ずりぃ…よ。何だよ…この手紙っ……。」

俺は片手で顔を覆う様に隠して俯く。


「…散々待たせて。
自分だけ言いたい事言って…反則だろ?」

俺だって、言いたかった。
あんたにたくさん伝えたかった。

”可愛い”、”綺麗だ”、”好きだ”、”愛してる”…。

たくさん夢の言葉を言って、
あんたを幸せにしてやりたかった。


そう、心の中で呟いた瞬間。


”バカ!違うでしょッ…!”

ザアァァ…ッと強い風が吹いたと思ったら、
天気なのにポツポツと小雨が降り始めた。

ハッとすると、
俺の瞳に映るのは……。
自分の顔を覆っていた左手の薬指に輝く指輪。


”伝える相手が、違うでしょ?”

そう言われているかのように、
雨粒が俺の手に…落ちてきた……。
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