夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】

……。

ヴァロンは、
私が自宅へ遊びに行くのを待っていてくれた。
私の為にハーブティーを用意してくれていた。

その間は、私の事を考えていてくれた。


「俺は嫌なんだよ…。
お前とこう…なんかモヤモヤしてんの。
いつもみたいに、いたいんだよ…ずっと。
……。それじゃ、駄目なのか?」

私に対して、
変わらないでいてほしいと…望んでくれた。


……。

もう、充分じゃないか。

私がヴァロンの為に出来るのは、
今ままでと変わらず彼と接する事だけだ。

醜い歪んだ愛は、
ずっと心に秘めて…墓場まで持っていこう。


私は自分の心の中で頷いて、
ベンチから立ち上がると甲板の端へ行き柵の間際で髪を縛っていた紐を解いた。

夜風になびく背中まで伸びた髪は、
少しでも可愛く思われたくて伸ばした…
私の捨てられなかった想い。


…でも、終わりにしよう。

私はポケットからナイフを取り出した。
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