夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
(2)
目を閉じて自分の髪を掴み、
ナイフを当てて切り落とそうとした時…。
「勿体ねぇから止めろよ。」
「!……っ…ヴァロン…。」
声が聞こえたと思ったら、
いつの間にか傍にいたヴァロンにナイフを持つ手を握られていた。
「イメチェンしたいのか?
でも、俺はお前の長い髪好きだから止めろよ。」
「///っ……。」
”好き”と言う言葉と、
間近で意地悪そうな笑みを浮かべられて私は思わず動揺してしまう。
ヴァロンはそんな私の手からナイフを奪うと、
クルクルと回しながら何事もなかった様に隣で海を見つめていた。
ヴァロンと二人きりになるのは、
この前揉めて以来初めてで…。
何だか緊張してしまって、
私も彼から目を逸らす様に海を見つめる。