夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】

(2)


僕とリディアさんが初めて会ったのは…。
僕が17歳、リディアさんが23歳の時。
サヤさんと付き合い始めたばかりの頃だ。
何度目かのデートの時にリディアさんが僕達の待ち合わせ場所にサヤさんと一緒に来ていて、
いきなりギロッと鋭い視線で見られた。

何も知らなかった僕は驚いて。
初対面のリディアさんの印象はとにかく怖くて、僕は絶対に嫌われていると思った。

それも仕方ない。
当時の僕は、
自分の目標も特になくて中途半端だったから…。

名家の跡取りとして生まれながらそれを拒み、家を飛び出したのはいいけど…。
生活の為になんとなく仕事をしているだけで、
これといってやりたい事もない。
もちろんサヤさんと一緒に居たかったけど、
ただそれだけの…つまらない男。


そんな僕を変えてくれたのは、小さな少年。
まだ夢の配達人になる前の、

ヴァロン君との出会いだった。
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