夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
そこに居たのは、
薄い栗毛色の髪と瞳をした…少年。
10歳くらいだろうか?
幼い、背の小さな少年だった。
……嘘、だろう?
あんな小さな男の子が、
さっきの色っぽい声質で…。
あんな大人びた台詞を言っていたのか?
トクンッ…トクンッ…。
と、鼓動を感じながら僕はもう少年に釘付け。
少年は、観客に横姿で立っていた。
手を伸ばして、
その先を見上げる視線は…悲しい切ない瞳。
愛おしい人が、
本当にそこに居るような瞳。
少年の一人演技なのに、相手が…見える。
別れのシーン。
身分差の恋によって引き裂かれる、場面。
繋いでいた二人の手が、
ゆっくりとスルリと離れて…。
男が、
女の髪から落ちたリボンをゆっくりと拾う。