夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
『……生まれてくる場所が違えば。
僕等はこんなに離れなくてすんだのに…。
神様はどうして君と僕を出逢わせたんだろう?』
少年の台詞を言う声のトーンが、変わった。
本来なら引き離された男が、
自分の生まれた場所と運命を悲しんで否定する台詞。
…でも、少年の口調は。
自らの運命を、否定しない。
この状況下で誰を恨む事もせず、
己の無力さを認めて…言っている様だった。
その表情は、
とても幼い少年が出来るようなものじゃない。
困った苦笑にも見えれば、
不敵に笑っている様にも見える。
そう、希望も絶望もない状況でも…。
濁りのない、曇りのない…瞳。
少年は、
手首に巻き終わったリボンに頰を擦り寄せる。
目を閉じて、
顔を少し斜めにして…。
顔の横に掲げた手首のリボンに甘える様なその仕草は、女性でなくても…キュンとときめく。