夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
「うちの弟子に触るんじゃないわよ。
ファンはいいけど、お触りは禁止よ!」
「!っ……あ。」
僕を引っ張った相手。
それは、リディアさん。
……。
顔を合わせてしまった。
と、汗をタラタラ流す僕をリディアさんがキッと見つめる。
「大体ね、私の評価に不満な訳?
あんな演技で満足してたら、
この子は此処で終わっちゃうのよ!
中途半端な人間は構わないでちょうだい!」
「ッ……。」
リディアさんの言葉が、
僕の胸にズキッと突き刺さった。
何も、言い返せない。
「……。
ヴァロン、帰って反省会よ。」
リディアさんは僕を放すと、
背を向けて足早に歩き出した。
ヴァロン君は何も言わずに、
僕の事をチラッと見ると彼女を追い掛ける様に去って行った。
ヴァロン君の背中は、
小さいのに…僕にはとても大きく見えた。
……
………。