夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】

「天性の、才能。
ヴァロン君は、まるで夢の配達人になる為に生まれてきたみたいだ…。」

いや。
ヴァロン君の為に夢の配達人と言う職業があると言っても過言じゃない。
絶対に、彼の天職になるだろう。
そう思った。

…けど、そんな僕にリディアさんは言う。


「天性の才能。
そんな簡単な言葉であの子を評価しないで頂戴。」

「！///っ……。」

思わず、ドキッとした。

睨む、とは違う。
ヴァロン君を想うが故の強い眼差しのリディアさん。
この時、僕は初めて彼女を…美しいと思った。


「…あの子はね、
ずっと狭い檻に閉じ込められてたの。
良い所も悪い所も封じられて、ただ生きてたの。
…それでも歪まず、
美しい心を手放さなかった。
その強い志を、
天性の才能なんかで片付けないで。」

それは…。
師弟を超えた、絆だった。