夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】

「…直接ヴァロンを潰しに来ないとしても、幼い頃の記憶ってのは結構怖いのよ。
特に嫌な思い出は植えついて、トラウマになる。
今はだいぶ落ち着いてるけど。
引き取った当初は、
よくちょっとした事で過呼吸になったの。
今でも1番ダメなのは、煙草の臭い。
両親が吸ってたんでしょうね。」


誰もが羨むだろう、
ヴァロン君の持ってる天性の才能。
現に僕だって、彼を羨ましいと思った。

でも、それは決して幸せとは限らない。
ヴァロン君を取り巻く周りの人達が善人なら正義に、悪人なら彼は悪に変わる。


「将来、
悪い女が付かない様にしてやらなくちゃ。
あの子を汚さない、
純粋で天使みたいな女の子。…いないかな。」

ヴァロン君を遠くから見つめながら、
リディアさんは心からそう願って…呟いた。

ヴァロン君を想いながら、
その相手は決して自分ではないと…。
言っている様だった。

〈回想終了〉
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