夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
【数日後…。/闇市場】

仕事を終わらせて帰ろうとした時だった。
通り掛かった時に小耳に挟んだの、
珍しい容姿をした子供の話。

今日の競り市のメイン。
別に助けるつもりも、買うつもりもなかった。
でも、帰りの船まで時間もあるし…。
私はなんとなく、会場に足を進めていた。


暗い会場。
ステージに上げられたその子供は、小さかった。
俯いているその姿は、
一瞬女の子かと思わせるくらいに貧弱で…。

照明を当てられて、
透き通った色素の薄い栗毛色の髪が輝く。

私と同じ、運命の子供。
誰に買われても、同じ。

自分で歩かなきゃ、何も変われない。

可哀想ね。
と、同情した…その時だった。
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