夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】

「おい、お客様に顔を見せろッ…!」

黒いスーツの男に、
グイッと強引に顔を上げられる子供。

長い前髪の隙間から、
ゆっくり見開かれたその目は…。

客席を射るような鋭い眼光。


「!……ッ。」

私はその子の瞳から、目を逸らせなくなった。
呼吸が、止まる。

その次の瞬間…。
子供は目を細めて笑った。


私の心臓が、トクンッと…鳴る。

その子供の表情が、
昔絵本で見た王子様の絵と…何故か重なる。


”やっと、見付けた”…。
”やっと、逢えた”…。

それは直感で、無意識に感じた感情。


「……5億ッ!!」

気付いたら、
私はその子を競り落としていた。

……
………。
< 416 / 497 >

この作品をシェア

pagetop