夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
船室のベッドで眠る少年を、
私は一晩中見ていても飽きなかった。
自分が産んであげられなかった我が子に、
少年の年齢が近かったせいもあったのかも知れない。
…そっか。
そういう事、よね。
少年との出逢いに運命を感じた事を、
私はそう解釈する事にした。
自分の嫌いな男も、
我が子と思えば可愛く思えて当たり前。
そう自分に言い聞かせて、
私は少年と生きていく事を…決めた。
……。
翌朝。
雨上がりの空を一緒に眺めた。
虹を初めて見たのか、
少年は目を見開いて驚いていた。
大好きな景色を、
一緒に眺めてくれる人がいる。
それだけで、
私の心は暖かくなっていた。