夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
「…よし、次はリビングよ。
言っておくけど、家事は分担制ね?
料理も掃除も洗濯も、教えるからやる事。」
リビング、奥の部屋、脱衣所、お風呂…。
何処に何があるのか私は一通り教えた。
「…どう?何か質問とかある?」
ヴァロンの正面で屈んで見つめると、
彼は首を横に振った。
隠れ家ではちょっと生意気な口調だった子が、
借りてきた猫みたいに大人しい。
私を怒らせたら、
嫌われたら追い出されると…きっと思ってる。
「…ヴァロン。
コレ、あげるわ。絶対になくしちゃダメよ?」
私はヴァロンの手を取って、
小さな掌に家の鍵を握らせた。
私にとっては、何でもない事だった。
仕事で家を空けてしまう事が多いから、
ただヴァロンに渡した…合鍵。