夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
「病院どっち?」
「……え?……。
あ、…っ………。」
サヤと子供を見捨て様とした自分。
それを、ヴァロンに見られた事。
私はすっかり動揺して言葉が出て来ない。
俯きそうになった瞬間。
「落ち着け!リディアッ…!!」
ヴァロンに名前を呼ばれて、彼を見た。
強い射る様な眼差しが私を貫く。
動揺が、静まっていく。
「大丈夫だから。
絶対に、大丈夫だから!」
”大丈夫”…。
優しい瞳と優しい言葉に、目が醒める。
「っ…こっち!付いてきて…!」
私はヴァロンに病院を案内して、必死に走った。
……。
………。
サヤと子供は無事だった。
私が忘れた財布を届けに来てくれた、
ヴァロンのおかげで…。
ヴァロンがいなかったら、
あの時来てくれなかったら…。
私は、
どんな恐ろしい女になっていたんだろう…?
……
………。