夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
「着替え、用意します。
少し待っていて下さい。」
「……。なあ、シュウ。
6月15日。今からでも…休めるかな?」
シュウの背中に向かって、
俺はボソッと呟く様に尋ねた。
言おうとして出た言葉じゃなくて、
気付いたら発していた言葉に自分でも驚いて…。
珍しく、動揺した。
「……言われずとも。
その日は休みにしてありますよ、ご安心を。」
振り返ったシュウと目が合ってビクッとした俺に、奴はそう言って微笑むと部屋を出て行った。
「……。
しっかりしろよっ…。」
左手で自分の顔を覆うと、
俺の目に薬指に輝く指輪が映る。
アカリとお揃いの、結婚指輪。
彼女の笑顔を思い出したら、
少しだけ…ホッとした。
「……俺には、アカリがいる。」
指輪にそっと口付けて、
俺は何とか仕事モードに気持ちを切り替えた。