夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】

長椅子に座ったままの私。
でも…。
顔を合わせる事を躊躇った私の前に、
ギルバートはやって来ると頭を下げた。


「リディアさん、ありがとうございます!」

「!……え?」

私に感謝の笑顔でお礼を言うギルバート。

胸が、ズキッと痛んだ。


「リディアさんが遊びに来てくれていた時で良かった…。
また、落ち着いたら遊びに来てやって下さい。」

私の心の醜さを知らずに、
ギルバートは心から感謝の気持ちを伝えてくれていた。

……。

やめて…。
私は、サヤが苦しめばいいと…。
自分と同じ想いをすればいいと…思った……っ。

ズキズキと痛んで、涙が出そうだった。


「リディア、帰ろうぜ。
……?……リディア?」

「……ッ!!」

「!っ……リディア!!」

ヴァロンの呼び掛けを無視して、
私は長椅子から立ち上がると病院を駆け出した。
< 431 / 497 >

この作品をシェア

pagetop