夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
!っ……なに?
驚いて掛けられた布を見ると…。
それは…見慣れた、上着。
ゆっくり顔だけ横を向けと…。
息を切らしたヴァロンが、いた。
その姿を見たら、
騒いでいた胸が…心が…静かになっていく。
「相変わらず、足速いな…。
届け物してやったのに置いて帰るとか酷くね?」
そう言って、
ヴァロンはじとっとした表情で私を見る。
目が合って、
私は涙を隠す様に顔を背けた。
「っ…う、うるさいわね!
ほっといてちょうだいッ…!!」
本当は、嬉しかった。
息を切らしてヴァロンが来てくれた事。
私を独りにしないでいてくれた事。
……でも。
素直になれない捻くれ者の私。