夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
しっかり繋がれた手。
ヴァロンの綺麗な、指の長い大きな手。
昔、ヴァロンを闇市場から買って雨の中を一緒に走った事を思い出した。
あの時は、私がヴァロンの手を引いて走った。
小さな手だった。
その手が今では、私の手を包める位になっていた。
暖かい、大きな手。
私は、顔を少し上げて彼の背中を見た。
貧弱で小さかったヴァロン。
それが今では、逞しい男の背中。
頼り甲斐のある、守ってくれる背中。
私を暗闇から引き戻してくれる…?
私を助けてくれる、王子…様……?
「///……っ。」
顔が信じられない位に熱くなって。
走っているせいなのか分からない位に、
心臓がうるさい音を立て始める。
ヴァロンと出逢った時に感じた運命。
彼は、私の子供の代わりなんかじゃない。
いつか私はこの子に恋をすると、感じた予感。
この日、この時に…
愛する人に変わる、予感だったんだ……。