夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】

ヴァロンに恋をしてから、
私の中で色んな事が変わった。
周りからは雰囲気が柔らかくなったと言われ、
これまで一緒に飲む事がなかった同僚とも酒を交わす様になった。

そして、
私を”悪女”なんて呼ぶ人はいなくなった。
以前より優しい気持ちで人と接する事が、
出来る様になった。

人生が楽しくて、
私は初めて生まれて来て良かったと思えた。


……決めた。
ヴァロンに、気持ちを伝えよう。

次に行く大きな任務が終わったら、告白する。

暫く会えない長期任務だけど、
彼に会える日を楽しみに頑張ろう。

自分をやっと好きになれた私の決意だった。


……。

でも、そんな日は来なかった。
私の気持ちを、
ヴァロンに言える日なんて…来なかった。


任務の途中に、
私は自分が重い病にかかっている事を知った。
次第に身体を蝕む、もう決して治らない病気。

カウントダウンは、もう始まっていた。
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