夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】

…変なの。

ただ、抱き合ってるだけ。
頭を撫でてもらってるだけ。

同じベッドで寝て、
私を抱かない男なんて初めてだった。

ヴァロンはやっぱり特別な人。
普通の男とは、違う。

……。

…そして、
私とも住む世界が違う人。

ヴァロンは、私には綺麗すぎた。


同じ境遇の私達は似てる。
きっと誰よりも分かり合える存在。

…でも、それは愛ではない。
ヴァロンが優しくしてくれたのは、
1番近い存在の私の気持ちが分かるから…。

この子は、
弱っていた私を棄てられなかっただけ…。
私が傍に居てと口にすれば、
ずっとずっと傍にいてくれるだろう…。

……。

だから、離さなきゃ。
ヴァロンが幸せになれる様に…。

私がいなくなった後も、
この子が真っ直ぐ生きれる様に…。
私から、手を離さなきゃ…。


次の日から…。
私はヴァロンとの関係を、
師弟関係に徹底する様に心掛けた。
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