夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
……
………。
翌朝。
目を覚まして、
脱ぎ散らかした衣服を纏うヴァロン。
何も言わず立ち去ろうとした彼を、私は呼び止めた。
「……。
これを持っていきなさい、ヴァロン。」
ゆっくり、顔だけ振り向くヴァロンに…。
私はベッドから上半身を起こして、
白金バッジを掌に乗せて差し出した…。
「…私の、負けよ。」
立派になった貴方に、受け取ってほしい。
一人の男として、
夢の配達人として…ヴァロンを認めた証。
……。
でも、私は知らなかった。
また自分の気持ちばかりで…。
ヴァロンの気持ちに、気付いていなかった。
「……ククッ…。ははっ……。」
ヴァロンが、笑った。
渇いた、哀しい…笑い……。