夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
【リディア28歳の秋/診療所の病室】

先生達のお陰で赤ちゃんはなんとか安定期に入って、私の状態も落ち着いていた。
時々胸が苦しくなったり、身体に力が入らなくなったりはしたけど…。
その度に鍵を握り締めてヴァロンの事を思い出した。

あと少し…。
赤ちゃんが産まれて来ても大丈夫な大きさに育つまで、私に時間を下さい。


「…いい天気。
パパは、元気にしてるかな?」

病室のベッドの座りながら窓の外を眺めて、お腹の子供に語り掛けた時だ。


「……。
父親は、誰だ?リディア。」

「!……ッ。」

私に問い掛ける声に、ハッとした。
聞き覚えのある声に病室の扉の方を見ると…。

そこに居たのは、
唯一私がまだ生きている事を知っていたマスターだった。


「…っ……マスター?
な、なんで…ここに……?」

ドキッとして、
私はお腹を隠す様に掛け布団を引き寄せた。
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