夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
「…ヴァロンにとって、
この子は出来る筈のない子供だった。
彼が責任を負う必要は、ありません。」
……それでも。
ヴァロンは私が身籠っていると知ったら、
絶対に全てを手放しても傍に駆け付けてくれる。
息を切らして駆け付けて。
何も言わずに隣に居てくれる。
ずっとずっと、手を握ってくれる。
私が好きになった人は、そんな人。
そんな彼だから、もう迷わないでほしい。
「……父親のいない。
そして、母親のお前もいなくなったら……。
その子はどうするつもりだ?」
「この診療所の先生と奥様が、引き取って下さいます。
……産まれたらすぐ、渡します。」
私の事なんて知らなくていい。
優しい先生と奥さんに大切にされて、
この子には普通の幸せを感じて…生きて欲しい。
それ以上、何も望まない。