夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】

(8)


その後も、
赤ちゃんが動くのはヴァロンの話題を出す時ばっかり。
特に写真を眺めていると、元気に動く。


「……アンタ、相当のファザコンね。」

絶対に、女の子だと思った。
なだめる様にお腹を摩りながら、
私はくすくす笑う。


「……。
会いたい、よね…?」

”うん!”…。
そう返事する様に動く赤ちゃん。

気持ちが揺れ動きそうになる。


何度も何度も、考えた。
この子にとって一番の道を…。
いつか、
例え親子と名乗れなくてもヴァロンと会える方法を…。

たくさんの想いを乗せて、
私はこの日から手紙を書く事にした。
自分がいなくなった後、
みんなが幸せになれる様に…。

この手紙を受け取った人と人が繋がる様に…。


……そして、
この子が全てにちゃんと結び付くように……。


「……決めた。
アンタの名前は、”ユイ”……。」

奥さんに許可をもらって、名前を決めた。


……。
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